伊東市の賃貸市場動向 2018年版
2018年 市場動向
2013年に個人的に感じている賃貸の市場状況をまとめてみました。
あれから5年が経ち、さらに市場は悪化しています。
現状の要因が何なのか、伊東市の統計をまとめてみました。
結論から書くと、
「人口の減少=需要の減少」
「田舎特有の持ち家志向」
「低収入」
だと個人的には考えます。
2017年12月現在、伊東市の人口は69,990人。
高齢化率40%超。
約7万人の人口に対して、65歳以上の方が2.8万人ということになります。
※2018.7現在では、69,495人に減少。
対して、賃貸需要層、住宅取得一次層と言われている20歳~34歳までの人口は、2015年現在で6,303人と総人口の9%程度しかいません。
人口の流出について考えてみると、
15歳~19歳までの人口が2,498人
20歳~24歳までの人口は1,789人
その差709人。
ということは、大学進学等によって700人前後の方が伊東市外に出ていることになります。
※単純な見方です。
25歳~59歳までの人口は少し増え、2,041人(252人増)となっていますが…
差し引きしても、700人流出、250人流入で450人程度は戻ってこないという見方ができます。
賃貸の需要は、人口によって決まることは明らかですので、伊東市がどれだけ需要が減ってきているのかがわかると思います。
次に、統計を表にしてみました。
人口統計
統計を表にまとめてみました。
まず伊東市の公表している総合戦略より、
将来の人口予想です。
伊東市は2020年に70,039人としていますが、現実には既に69,990人となっています。
社人研のデータまでとはいきませんが、その中間程度で推移するのではないか、と個人的には予想します。
次の2015年現在の年齢別人口です。
40歳~49歳までの団塊ジュニア世代は、
やはり人口が増えているのがわかります。
65歳~74歳までの団塊世代の方は、一番人口が多い層となっています。
持ち家志向
次の要因と考えられる「田舎特有の持ち家志向」についてです。
田舎の場合、土地代が低いため新築する方は、都会よりも多いと思われます。
その土地や建物は、近年相続や世代交代により子や孫の代に実家が引き継がれ、引き継がれないお家は売却に出され、近年の価格の下落傾向や住宅ローンの低金利により賃貸より購入する方が増えています。
伊東市の家賃水準は、比較的高いと言われているため、住宅ローンの返済額は家賃より低く抑えられる場合が多く見受けられ、家賃の割高感が一層購入に走る原因となっている、のかもしれません。
※金利や借入額、返済期間によって異なります。
人口の流出が増え、人口が減少しているということは、土地や建物が引き継がれなくなり、
売却物件の増加=価格の更なる下落価格の下落=購入者の増加
空き家の活用(貸家)=アパート等共同住宅の需要の低下
賃貸物件の増加=家賃の下落
になることが予想され、この流れもいつか飽和状態になることが予想されます。
収入について
静岡県の発表している市町民所得のデータでは、伊東市の一人あたりの所得が約218万円(2014年)と静岡県ワースト2位となっています。
一人あたりのため、無収入の方も含まれていると思いますが、それでも低い水準となっています。
一般的に住宅にかけられる費用は、所得の20~25%と言われていますので、月額3.6万円~4.5万円程度になります。
収入的に購入が厳しい方は、賃貸になることになりますが、家賃は低くないとやはり厳しい状況だといえます。
収入についてもう少し考察してみますと、収入が低い要因は下記のどちらかだと言えます。
①「全体的に無収入や低所得者が多い」
または
②「完全に二極化の状態」
①の場合、平均が低いため頷けます。
1+1+1=3÷3=1
②の二極化した場合は、中間層がいないことが大きな要因のため、①の状態より経済は厳しい環境といえます。
0+0+3=3÷3=1
伊東市がどちらなのかはわかりませんが、所得が低いことはあまり良いことではないことは確かです。
最後に
伊東市の市場は、5年前より確実に厳しいものとなっています。
リフォームすれば決まるケースも少なくなりました。
家賃を下げてもなかなか決まりません。
このような状況の中でどうしたら集客できるのか!?
正直、今のところ個人的な答えはありませんが、一つ考えられることは、賃貸物件にもコンセプトを持って外から人を集客する魅力が必要ということではないでしょうか。
これを実践していくために少しずつ何か実行しなくては、というのが現状です。
計画・実行したいと思ったことは、ブログにて公表していきたいと思います。
市場状況については、また状況をみながら報告致します。
2018年1月23日
作成者:尾崎 弘一